住宅ローンを利用する際、借入限度額はいくらかで考えるより、毎月どれくらい返済が可能かを基準にして資金計画を立てます。
住宅購入、および住宅ローンを組む際の資金計画のポイントを項目ごとにまとめました。
資金計画の基本的な考え方
どれだけ理想的で快適な住宅が完成したとしても、住宅ローンの資金計画が破たんしてしまっては、最悪の場合ですと我が家を手放さなければならないということになります。
不動産を購入する上でもっとも重要なものは、住宅ローンの資金計画であるのです。
住宅ローンと一口にいっても社内融資や自治体融資、民間融資などといったさまざまなものがあります。
利用を検討する上ではそれぞれのしくみ、自分にとってのメリットやデメリットについてよく調べる必要があります。
現在の自分にとって良いものに見えても世の中で評判になっているとしても、将来の自分にとって良いものであるとは限りませんから慎重に判断しなければなりません。
住宅ローンの資金計画を立てるにあたって重要なものは借りることのできる金額でなく、返済が完了するに至るまでの無理がないプランニングです。
そのためには、希望的な観測を前提とするのではなく、現在の家族構成や将来の収入についてまで現実的にシミュレーションをする必要があります。
調べていくにつれて自分にとってより良いローン商品が見つかることもありますから、自分の目で比較して検討することが重要です。
頭金の金額
住宅ローンは不動産価格の100%を借り入れることも可能ですが、借入額が増えると金利がかかる金額と返済年数が増えてしまうため、必然的にトータルの返済額が増えてしまいます。
返済額を抑えるにはどれくらい頭金を用意するかがとても重要なポイントになります。
条件や金融機関によっては住宅ローンの借入限度額が80%の場合もあるため、頭金は不動産価格の20%ほどを目安として用意します。
頭金の額が増えると返済額が減りますが、貯蓄を全て頭金に充てるというのは生活に不安が生じるため、頭金の額は毎月の返済額と貯蓄しておくべき額などを踏まえた金額を考えます。
諸費用を準備する
住宅ローンを組む際、保証料、融資事務手数料、火災保険料、登記手数料、印紙代など諸費用が必要となります。
これらの諸費用も含め、頭金の額や返済額などを検討します。
固定資産税
賃貸住宅の場合は固定資産税の支払い義務は発生しませんが、住宅を購入すると固定資産税を支払わないといけなくなります。
物件によって税額は変わりますが、だいたい10~20万円が目安です。
固定資産税は毎月支払いは発生するわけではなく、年4回(4月、7月、12月、2月)が納期となっています。
資金計画には固定資産税の支払いを必ず入れておかなければなりません。
管理費と修繕積立金
戸建て住宅購入の場合は必要ありませんが、分譲マンションなどを購入する際は毎月の管理費と修繕積立金も考慮しておかなければなりません。
管理費と修繕積立金の目安は2万円ほどですが、毎月2万円の出費となると毎月の返済額のプランが大きく変わってくるかと思います。
マンション購入する際は、管理費と修繕積立金も毎月の出費に組み入れておかなければなりません。
住宅ローンはプロに相談して最良の選択をしましょう
各所で取り扱われている住宅ローン商品はおよそ5,000種類にもなっているため、最良の選択をすることが難しいところもあります。
住宅ローンを考える場合には金利へ目が向きがちになりますが、そのほかにも手数料や保証料、団体信用生命保険料などといったさまざまな要素について総合的に判断することが重要です。
手数料は融資元へ支払う費用であり、純粋な経費です。
保証料については返済が難しくなった場合に融資元で代わってもらうことができるよう支払う費用であり、こちらは返済期限前に完済することで残金が戻ってきます。
金利ももちろん大切な要素であり、完済するまでにはかなりの金額を支払うことになりますから、変動金利や固定金利といった方式の選択次第で大きく差が出る可能性もあります。
この記事を監修した人
スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。