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2020.12.04 

不動産を現金購入するメリットとは?手続きの期間や流れも解説

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住宅は非常に高価な商品であるため、ほとんどの方が住宅ローンを利用して購入します。
しかし一部には、リタイア後に退職金を使って購入される方や「住宅支援贈与」と呼ばれる税制優遇を活用し、父母・祖父母から資金支援を受けて現金一括で購入される方もいます。

現金購入の主なメリットとは、

  • 取引の手続きが容易
  • 諸費用が安く済む
  • 金利負担が無い

などが挙げられます。

今回は現金購入のメリット・デメリットについて解説するとともに、手続きの期間や流れについても紹介していきます。

目次

不動産を現金購入するメリットとデメリット

現金購入は住宅ローンを利用する場合と比べて、金銭的メリットがとても大きいと言えます。
住宅ローンを利用する場合は、事務手数料や保証料、金利など借入金以外にも多額の費用が発生します。しかし、現金購入であれば、これら費用は一切かかりません。

中でも、保証料の金額は物件価格の2%程度とも言われており、住宅購入時にかかる諸費用としては仲介手数料と並んで特に負担の大きな項目です。

金利についてはさらに大きな金額となります。例えば、3,000万円を金利1%で借り、35年間で返済する場合、金利負担額は総額で約550万円まで積み上がります。
こうして実際の数字を見ると、現金購入の金銭的メリットがいかに大きいかご理解いただけるのではないでしょうか。

また、現金購入は「取引の手続きが容易であること」もメリットの一つです。
不動産の売買取引では、契約から決済までに約1〜2ヶ月間の猶予を設けることが一般的です。しかし、現金購入では買主による住宅ローン手続きが省略されるため、早ければ1〜2週間程度で決済をすることができます。さらに、物件が空き家であるなど売主側に引渡しの問題がなければ、契約と決済を同時に行う「一括決済」も可能です。

一方、現金購入における最大のデメリットとしては、「住宅ローン控除が使えない」ことです。
住宅ローン控除は、ローンを組んでから一定期間の間、年末の借入残高に対して1%分の所得税を控除する制度です。築年数や所得額によって適用可否や控除内容は異なりますが、現在の住宅ローン金利は1%を切る商品が非常多く、上手く組み合わせることができれば、現金購入よりも住宅ローンを組む方が返って得な場合があるのです。

また、購入後に税務調査が入る可能性もあります。
これはごく稀なケースであるためあまり心配する必要はありませんが、万が一の手間にならないためにも、特に住宅支援贈与などにより購入する場合は確定申告を注意深く行うことが重要です。

不動産を現金で購入するときの流れや期間

不動産を現金で購入する場合の一般的な流れは、

  1. 内覧・購入申込み
  2. 売買契約
  3. 決済

内覧・購入申込み

住宅ローン利用、現金購入いずれの場合も、内覧方法や購入申込書の内容で変わることはほとんどありません。しかし、現金購入は住宅ローンの事前審査を通す必要が無いため、その分契約までの期間が短縮できます。なお、この期間は契約書等の準備があるため、早くても3日〜1週間程度が必要です。

実は、購入申込みから売買契約の間に、売主の売却意思が揺らいでしまうといったケースは少なくありません。
購入申込書を提出した時点では双方に何ら法的拘束力は無く、売り止めになった場合、買主は単に諦めるしかないのです。

こうしたリスクを考えると、売買契約までの期間を短縮できる現金購入の方が、取引の確実性という点でメリットが大きいと言えます。

売買契約

売買契約においては、仲介会社から重要事項説明書の説明・交付を受け、売主と売買契約書を締結します。
またこの時点で物件価格の1割程度の「手付金」を売主に支払います。
そして、ここでの大きな違いは「ローン条項が無い」ことです。

ローン条項とは、契約締結後に買主が本審査の融資承認を得られなかった場合、買主側から契約を解除できるというものです。なお、このローン条項には、「特定の金融機関で承認が得られなかった場合、ただちに解除するケース」と「解除期限を設けて他の金融機関を探すケース」の2つの類型があります。

ただし、いずれのケースによって解除された場合であっても買主にペナルティが無いため、売主の立場からすれば、現金購入の方がリスクは少ないのです。

決済

売買契約から概ね1〜2週間で「決済」をします。
決済では、手付金を除いた残代金の支払いと所有権移転登記の手続き、そして物件の引渡しを受けます。

住宅ローンを利用する場合は、融資の準備に時間を要すため1〜2ヶ月程度が必要ですが、現金購入ではここでも期間短縮ができるのです。
さらに、売主側の了承と特段の問題がなければ、契約と決済を同時に行う「一括決済」も可能です。

また、抵当権の移転登記も必要なく、その分の登録免許税もかからないため、諸費用も安く済ませることができます

現金購入時に必要な書類など準備しておくものは?

現金購入時には、主に下記のものが必要となります。

  • 本人確認書類(写真入り)
  • 住民票
  • 印鑑(認印可)
  • 口座通帳・銀行印

このように、準備するものはとてもシンプルです。
住宅ローンの手続きが無いため、収入証明や印鑑証明などの書類も必要なく、印鑑も認印を使うことが可能です。

また、所有権移転登記に必要な住民票は、依頼する司法書士の職権でも取得できるため、役所へ行く時間が無い方などは取得を含めて依頼しても良いでしょう。

不動産を現金購入するときの注意点

メリットが多い現金購入も、実際に購入される際は注意しておくべきことが2つあります。

火災保険への加入を忘れない

現金購入の方で忘れがちなのが、火災保険への加入です。
住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が融資条件であったり、任意であっても金融機関の保険商品として紹介されるため、加入忘れはあまり起こりません。

しかし、現金購入の場合は完全に任意であるため、購入後も火災保険の存在をすっかり忘れてしまう方が少なくありません。
万が一に備えた火災保険への加入は強くおすすめします。直接保険会社へ問い合わせずとも、不動産仲介会社が提携していることが多いので、一度相談されると良いでしょう。

購入後のライフプランをしっかり把握しておく

不動産の現金購入は、大きな支出を伴います。資金贈与を受けた方であっても、購入代金の一部はご自身の貯蓄から支払っているケースが多いでしょう。

当然ながら、現金購入されると手元の現金は大きく減少します。将来的にいつ・どのくらいお金が必要か、ご自身のライフプランとしっかり向き合いながら、購入すべきか判断することが重要です。

おわりに:不動産の現金購入はメリットが多いけれど、計画的に購入することが大切

以上、現金購入は金銭面・手続き面ともに、住宅ローンを利用するよりも多くのメリットがあることがわかりました。
しかし、不動産購入は大きな支出であるため、手元の現金が大きく減少することには注意が必要です。ご自身のライフプランを把握しながら、計画的に購入を検討しましょう。

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この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

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