不動産の購入を考えて物件について調べていると、住宅性能評価書というものがつけられている場合もあります。
住宅性能評価書は、住宅性能表示制度に照らし合わせて書かれている評価書です。
物件の広告を見ただけで比較することは、非常に難しいものです。
住宅の性能について一定の基準に対する評価が出されていればいくつかの不動産を見て、購入するときにも比較しやすくなります。
住宅性能書は安全に住めるという保証書
住宅性能評価書を見れば、不動産を購入するときに素人の目で見てもわかりやすくなります。
広告を見たときには誇大広告でないかといったように不安なことも多いのですが、住宅性能評価書を評価しているのは第三者です。
それも、国土交通大臣による登録を受けている専門機関が評価しています。
その内容に誇張されたものはなく、安心することができます。
また、後々住宅ローンを組むというときや保険商品へ加入した場合には、住宅性能評価書があることによって優遇や割引を受けることができるというケースもあります。
住宅性能評価書がある物件であれば資産価値もありますから、後に中古物件として売却するにも有利になります。
安全に住むことができるという保証があれば安心であり、住宅性能評価書があれば自分でさまざまな点を確認する必要もありません。
住宅性能評価書とは?
住宅性能評価書は住宅の性能評価のルールを定めた住宅性能表示制度に基づいて発行される書類で、「1」「2」といった数値・等級で住宅の性能を分かりやすく評価しています。
住宅性能評価書に記載されている内容としてはまず、地震などによる倒壊のしにくさなど、建物の安定度が挙げられます。
また火災が起こったときに避難しやすいかどうか、壁などが火に強いかどうか、火災報知機の有無についても記載されています。
柱や土台の耐久性、配管の点検や補修への配慮、壁や窓の断熱といった住宅設備に関する内容、換気や建材に接客材が使われているかどうかなどの空気環境についてもふれられています。
さらに建物の向きや窓の大きさ、隣や上から伝わる物音、高齢者や障害者への配慮、ドアや窓に関する防犯対策なども網羅されています。
住宅性能評価書の評価は10分野32項目ある
住宅性能表示制度が出来る前は各社で評価する住宅の性能が異なっていたため分かりづらかったのですが、制度が出来たことによって評価の基準が生まれ、基準に基づいた公平な評価が可能になりました。
「構造の安定」
地震、積雪、暴風といった自然の力に耐えられる性能を示します。
等級が高い住宅ほど地震など自然災害に耐えることができ、評価の高い住宅は大地震にも耐えられる強度を持った耐震性の高い住宅であることが分かります。
「火災時の安全」
感知警報装置が設置されているかどうか、避難経路が確保されているかどうか、隣家で火災が発生した時に延焼しにくいかどかなどで評価されます。
「劣化の軽減」
鉄筋、鉄骨、コンクリートなどの材料などが劣化しにくいように加工されているかどうかを評価します。
柱、土台が劣化しにくいということは住宅の寿命が長くなるということです。
「維持管理への配慮」
給排水管、ガス管の点検・清掃のしやすさを評価する項目で、故障時の補修のしやすさを判断します。
「温熱環境」
壁や窓の断熱性能を評価する項目で、いわゆる夏は涼しく冬は温かい温熱環境に優れた住宅であるかどうかを判断します。
等級が高い=断熱性能に優れており、省エネルギーで快適な室温を保つことができます。
「空気環境」
住宅の建材から発散されるホルムアルデヒドの発散量を評価し、等級が高いほどホルムアルデヒドの発散が少なく空気環境が良い住宅であるとされます。
「光・視環境」
東西南北と上方の5方向に設けられている窓の大きさなどから、採光性や開放感を評価します。
「音環境」
床、壁、窓、天井に防音対策が施されているか、隣、上下の住居から音が伝わってきにくいかを評価します。
「高齢者等への配慮」
高齢の方に配慮したバリアフリーが施されている住宅であるかどうかを評価します。
「防犯対策」
住戸の開口部の侵入防止対策を評価する項目で、ドアや窓など外部開口部に防犯対策になる雨戸や建物部品が設置されているかどうかを評価します。
この記事を監修した人
スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。