住宅は、人生においていちばんの買い物であるといっても良いほどに高値のものです。
第一に迷う点は新築か中古か、戸建てかマンションかといったように、幅広い視点で考える必要があります。
中古住宅を購入しようと決めたときには、実際に不動産会社へ問い合わせて物件を見に行くにあたり、安易に決めてはいけません。
場合によってはプロの査定士を依頼しても良いほどに、物件選びは慎重にすることが大切です。
また、中古の一戸建てですと、実際に建物を見学して劣化状況について十分把握することが重要です。
中には居住中である場合もあるため、家具などを動かすなどして壁や床とすみずみまで見る必要があります。
中古住宅は新築住宅と違い、老朽化が進んでいる箇所の修繕が必要となったり、物件の購入費だけでなくリフォームの費用も発生するケースが多いです。
中古住宅を見学する際にチェックしておきたポイントをまとめました。
水回り設備のチェック
キッチン、浴室、洗面室、トイレなどは毎日使いますし、水を使う場所なので老朽化が進みやすいです。
また水漏れが発生している場合もあるため、見学時に老朽化の具合や水漏れがないかのチェックが必要です。
水漏れによって床が腐食している場合もあり、その場合は修繕に費用がかかるので修繕費込みで購入価格を考える必要があります。
最近のシステムバスは性能がよく施工時間も短くて済むので、浴室の老朽化が進んでいたり汚れがひどい場合はリフォームで浴室まるごと改装してシステムバスに変更するというプランも考えられます。
内壁・外壁のチェック
内壁に貼られている壁紙にひどい汚れがないかチェックします。
壁紙がそのままの場合もありますし、新しく張り替えられている場合もあります。
ちゃんと壁紙が貼られているのに壁紙にヨレがあると、建物自体が歪んでいる可能性も考えられます。
戸建て住宅は外壁にひび割れや色あせがないかのチェックもしておきましょう。
外壁のひび割れは建物の強度に影響するため、耐震性を向上させるために外壁の修繕が必要な場合もあります。
施工年月と耐震性のチェック
耐震性は建物によって異なり、建物が建てられた年によって耐震性を把握することもできます。
1981年(昭和56年)6月に耐震基準が改正され、改正後の住宅は大地震を想定しているため耐震性が向上していますが、改正前に建てられた住宅は耐震性が不足している恐れがあります。
1981年6月以前に建てられた住宅に対しては、国や都道府県、市区町村による耐震補助金制度の対象となりますので、耐震改修が必要な場合は補助金を加味して予算を組むことも考えてみましょう。
耐震性が不足している場合、耐震改修が必要となるためリフォームにかかる費用が増えてしまいます。
家の傾きや悪臭・水漏れも確認しましょう
また、スリッパをあえて履かずに床を歩くことで傾きがわかってしまう人もいるため、傾きやひびなどに気をつけて観察する必要があります。
建物の中には、点検口がいくつかあります。
不動産業者に依頼して床下や洗面所などといった水漏れの有無、カビによる悪臭がないかどうかもチェックします。
それから建物の周囲も全体的に観察し、コンクリートと外壁はひびの状況も見ます。
あまりにも補修や補強された跡が多い、異常な汚れがあるといった外壁には、雨漏りが起こっている可能性もあります。
そう考えると、雨の日に見に行くことも重要です。
また、外壁に黒く細長い汚れがあった場合には、シロアリの被害も考えられます。
これから住む家にシロアリがいれば駆除にも時間がかかり、建物にも影響してしまいます。
必ず確認しておきたいポイントです。
そのほか違法建築ではないか、不動産に必ず検査済証や平面図、立面図、矩計図、仕様書などの書類もしっかりしているかどうかについてもチェックします。
この記事を監修した人
スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。