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2020.12.04 

不動産を購入するなら住宅ローンの一括返済がお得?メリットやデメリットも解説

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住宅購入では欠かせないとも言える「住宅ローン」。
今や超低金利政策によって、かつてよりも住宅ローンを組むことが容易になったうえ、借入期間も最長35年だったものが、現在では最長50年とするローン商品も登場しています。

一方で「住宅ローンは繰上げ返済して、なるべく早く完済した方が良い」という論調もまだまだ根強く存在しています。

住宅ローンを借りた方の中には、まとまったお金が入ってきた時点で全ての残債を完済する、いわゆる「一括返済」をされる方も少なくありません。

住宅ローンの一括返済の特徴とは、

  • 一括返済によって金利負担が軽減される
  • 一括返済すると保証金が戻ってくる
  • 一括返済すると手数料が発生する

などが挙げられます。

住宅ローンの返済は生活費に占める割合が多いため、一括返済による金銭的メリットはとても大きなものです。しかしながら、デメリットも存在します。一括返済はどなたでも有効とは言い切れず、個人それぞれの経済状況などタイミングを見計らって慎重に行う必要があるのです。

そこで、今回は一括返済のメリットとデメリットを紹介しながら、本当にお得かどうかについても解説していきたいと思います。

目次

住宅ローンの一括返済は得?

住宅ローンの一括返済が得かどうかは、残念ながら一概に言えることではありません。
一括返済をすべきか否かは、個人それぞれの収入面や生活環境などを総合的に勘案して決定する必要があります。

住宅ローンの一括返済の方法

一括返済をする場合は、住宅ローンを借りた各金融機関の規則に従うこととなりますが、下記のような手順で行うことが一般的です。

  1. 一括返済予定日の1ヶ月前までに、金融機関へネット経由もしくは電話により申し入れをする
  2. 後日、金融機関から登録住所宛に手続きの案内資料が郵送される
  3. 必要事項を記入のうえ関係書類を返送する
  4. 返済期限までに指定された口座に入金、もしくは金融機関の窓口にて支払いを行う

以上の手続きで一括返済は完了です。
しかし、ここで忘れてはいけないのが「抵当権の抹消手続き」です。
住宅ローンの抵当権は完済すれば自動的に抹消されるのではなく、ご自身もしくは司法書士に依頼して抹消の登記申請を行わなければなりません

ちなみに、抵当権の抹消手続きは完済後の期限があるわけでも無く、また抹消しないからといって罰則もありません。しかし、将来もし売却する場合、抵当権は必ず抹消しなければなりません。また、抹消に必要な書類も時間の経過とともに紛失してしまう可能性がありますので、完済と同時に抹消手続きをすることが無難と言えます。

なお、この抹消登記には、登録免許税と収入印紙代が発生します。また、司法書士に依頼する場合は手数料がかかるため、事前にどの程度の費用がかかるか金融機関に確認することをおすすめします。

住宅ローンを一括返済するメリット

一括返済には下記のようなメリットがあります。

  • 金利負担が減る
  • 保証料が返ってくる

金利負担が減る

月々の住宅ローンの返済は、借入した元金と金利を合わせた金額を支払っています。
「元利均等払い」と「元金均等払い」と呼ばれる支払い方法によって、支払いに占める金利の割合は若干異なりますが、この「元金+金利」という構造は支払い期間が満了するまで変わりません。

一括返済は、当初予定していた支払い期間を繰り上げて完済する方法です。つまり、支払い期間が短くなれば、当初支払うはずであった金利負担は、一括返済により繰り上げた期間分だけ安くなるのです。

保証料が返ってくる可能性がある

住宅ローンを利用する場合、保証会社に対して保証料を支払うことが通常です。
そしてこの保証料は、一括返済をすることによって、その一部が返還される可能性があります。

住宅ローンを組むときに一括で保証料を支払った方の場合、繰り上げた期間分に応じた保証料が返還される可能性があります。
また、一括支払いではなく月々の返済に保証料として上乗せした金額を支払っている方も、一括返済してしまえばその後の支払いが無くなるため、返還の場合と同様のメリットを享受することができます。

住宅ローンを一括返済するデメリット

続いて、一括返済のデメリットをご紹介します。

  • 現金が無くなってしまう
  • 手数料が発生する
  • 住宅ローン控除が受けられなくなる

現金が無くなってしまう

一括返済によって手元の現金が減ってしまい、完済後の生活に影響を与える可能性があります。
特にお子様のいるご家庭は、将来的に多額の養育・教育資金が発生することを認識しておく必要があります。

「一括返済がしたい、でも生活資金が不安」という方は、ライフプラン相談を受けることが良いです。
将来的なライフプランを作成することで、いつ・どのくらいのお金が必要となるのか、またそれによってそもそも一括返済をすることが得策か否か、具体的な数字を見ながら判断できるため非常におすすめです。

手数料が発生する

一括返済する際に、金融機関の手数料が発生する可能性があります。
金融機関によっては、数回の繰り上げ返済の場合は無料で行えるサービスがありますが、一括返済の場合はほぼ全ての金融機関で手数料が発生します。

この手数料は一括返済の金額や金融機関の規則によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

住宅ローン控除が受けられなくなる

一括返済するうえで最も注意すべきは、住宅ローン控除が受けられなくなるということです。
住宅ローン控除は、借入から一定期間の間、年末の住宅ローン残高の金額にしたがって所得税の一部を控除する制度です。
新築・中古によって控除期間が異なること、また借入者の所得額や物件の築年数によって制限がありますが、利用できればローン残高の1%が控除される制度であるため、金銭的なメリットは非常に大きいと言えます。

しかし、一括返済してしまうとその時点から住宅ローン控除の適用がなくなってしまいます。特に、現在は1%以下の金利で住宅ローンを組むことができるため、理論上はローン控除を受け続けた方が良いと言えるのです。

おわりに:一括返済は一概にすれば良いのではない

以上、一括返済の方法やメリット・デメリットについて解説しました。

一括返済が適しているのは、

  • 住宅ローン控除の期間が終わっている
  • 一括返済しても手元に十分な現金が残る
  • 将来的なライフプランができている

このような方は、メリットを活かせる可能性がとても高いと言えます。

一括返済は、個人それぞれの収入面や生活環境などを総合的に考えて決定することが重要です。
そして上手く活用できれば、金銭的にも精神的にも大きなメリットがあります。

住宅を購入される際は、将来的な一括返済も視野に入れながら住宅ローンを組まれると良いでしょう。

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この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

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