- ご近所トラブルに巻き込まれたらどうすればいいの?
- 公的機関に相談できるの?
- 解決のために大切なことって?
本記事では、ご近所トラブルに関する上記のような疑問にお答えしていきます!
自分が住む家は選ぶことができても、近所にどのような方が住んでいるかは実際に「ご近所さん」になってみるまでわかりません。住み心地のいい家を選んで快適に暮らしていたら、ある日突然ご近所トラブルに巻き込まれてしまった——。そういうことも、決して少なくないのです。
深刻なご近所トラブルに遭遇して「もう引っ越すしかないのだろうか」と考えることもあるかもしれませんが、その前にできることをしてみませんか。ご近所トラブルに巻き込まれてしまったときの対処や相談先をご紹介します。
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ある日突然、ご近所トラブルに巻き込まれてしまった……
狭い日本の特に都市部では、ひしめきあうように連なった住宅で多くの方が暮らしています。アパートやマンションなどの集合住宅も多く、そうした住宅では上下左右を別の住宅に取り囲まれるようにして生活することになります。
つまり、ご近所トラブルとは、だれでも巻き込まれる危険があるのです! 解決のためのポイントをまとめると以下の通りです。
- ご近所トラブルを解決するには、まずは相手の言い分を聞く
- 公的機関にも相談可能
- 感情的にならず冷静に対処するのが大切!
これらのポイントを中心に解決方法を確認していきましょう!
ご近所トラブルを解決するには、まずは相手の言い分を聞く
ご近所トラブルを解決するためには、まずは、相手の方の話をよく聞く必要があります。きちんと話をするなら第三者を入れて協議の場をつくるのがいいでしょう。立ち会いは、戸建てであれば自治会、集合住宅では管理会社に頼むなどして、客観的に判断してもらえる立場の方に入ってもらうことが大切です。
物理的な嫌がらせに発展してしまった場合は、防犯カメラを設置すると万が一のときの証拠になります。さらに、法律面からも対策できることがあります。
法的に許容できる限界を超えていると判断されれば、嫌がらせ行為の差し止め請求を行ったり、損害賠償を請求したりすることも考えられるのです。その判断は被害の内容によってケースバイケースですので、専門家に相談しましょう。
公的機関にも相談可能
相手の言い分が一方的であったり、感情的に怒鳴るばかりで明確な理由がない場合、公的機関に相談するのも一つの手です。個人的なことだからといって、公的機関を頼ってはいけない! などと考える必要はないのです!
法的な対応であれば前述のとおり専門家に相談することになりますが、ご近所トラブルについて相談できるところはほかにもあります。地域に根ざす“世話役”である民生委員はその代表格。地域住民の立場から生活や福祉などに関する相談を受け付けています。
ただし民生委員は、法律に基づいて委嘱された非常勤の地方公務員ではあるものの、警察のような法的権限はなく、実際には適切な機関への橋渡しのような対応に止まることが多いようです。
公的機関としては、市役所・区役所の地域福祉課もあります。被害の程度によっては関係機関を交えて対策を考えてくれることもあります。相手の方が高齢であれば、高齢者の介護相談などを受ける地域包括センターが相談に乗ってくれることもあるでしょう。
そして、警察です。事件が発生しないと警察は動いてくれないといわれることも多いですが、周囲のパトロールを強化してもらうだけでも抑止力になることがありますし、相手の方に警告してもらうことができればより効果が大きくなるでしょう。まずは一度相談を。
感情的にならず冷静に対処するのが大切!
多くのご近所トラブルの起点にはマイナスの感情が絡んでおり、ご近所トラブルに巻き込まれた側も被害を受ければ怒りや恐怖などが膨らむことで、当事者の双方が感情的になりがちです。しかし、トラブル解決のためには、冷静に対処することがとても重要です。
こちらに非があることに対してクレームを受けたような場合も、こちらが冷静になって的確な対応をとれば収束する可能性も十分あるのです。いくらきちんと対応しても相手が受け入れずトラブルに発展してしまうようなケースでも、冷静になってとるべき対処を考えることで解決につなげることができます。感情的になっても何も解決しませんよ。
実際にあったトラブル事例
では、ご近所トラブルとは実際にどのようなものがあるのでしょうか。起こりがちなトラブルを知っておけば、トラブルを回避することも可能です!
実際にあったトラブル事例としては以下のようなものがあります。
騒音トラブル
隣人とのトラブルの内で、もっとも多いのが騒音のトラブルです。
深夜に大音量で音楽を聞いたり、友人などと大騒ぎをする! といった明らかに非があるものもありますし、掃除機や洗濯機をかけたりする生活音がうるさいといった判断が微妙なものも中には存在します。
また、赤ちゃんの泣き声やペットの鳴き声などさまざまな音が原因となってトラブルに発展します。
音に関してはどこからうるさく感じるかは人それぞれです。ですから、自身が加害者になってしまう可能性もありますから注意が必要といえるでしょう。
エントランスロビーを歩く音への苦情(女性・40・自営業・分譲マンション)
エントランスロビーの近くの部屋特に二階の部屋の住人からの苦情と聞いていましたが、エントランスロビー歩く音が部屋に響くそうです。特に女性用のヒールの音がカツカツ、コツコツ…という風に響いてくるそうなんです。苦情主さんは女性の住人、その後クレームが起きてからというもの、掃除をする業者さん、そして、管理人さん、コンシェルジェさん合わせて、靴の裏側に滑り止めや防音シールを貼るように、とのことでした。対策を講じてからというものの、苦情が起きていないようですが、それでも苦情主がエントランスやロビーを利用した時には、近所の住人も郵便物受けの扉の開け閉めに注意したり、歩き方に注意したりと非常に気を使うということがありました。
上階からの走り回る音等への苦情(女性・36・パート・分譲マンション)
母と私の2人暮らしです。分譲マンションに住んでいます。昨年の夏ごろ、私たちの部屋の上の階に小さな子供のいる家族が引っ越してきました。子供は赤ん坊と幼稚園位の男の子です。引っ越しの挨拶などは特にありませんでした。この家族が引っ越してきてから、上の階からバタバタと走り回る音や、ものを床に落とすどんどんという音が頻繁に聞こえるようになりました。うるさいなとは思ったものの、母は子育て経験者のため子供が元気が良いだけだよとそこまで神経質に気にする様子もなく、私が気にしすぎなのかもしれない、もっと寛容にならなければと苦情等は言わずに過ごしていました。しかし、先日、上の階に住むその家族が、管理会社を通して、私たちの部屋からいびきの音がしてうるさいという苦情を入れてきました。確かに私たちはいびきをかいてしまうことがあり、申し訳ないなとは思いました。しかし、自分たちの毎日の騒音を棚に上げて、こちらはものすごく我慢しているのに向こうは遠慮なく言ってきたことに、もやもやとした気持ちになりました。
学生たちが騒ぐ声や音への苦情(女性・28・会社員・賃貸マンション)
ワンルームのマンションに住んでいるのですが、隣に大学生が引っ越してきてから毎日沢山お友達がお酒を持ち寄り遊びにきていました。お酒を飲めるようになって羽目を外したい気持ちはわかりますが、毎日夜中から朝方まで大声を出したり、暴れてどんどんと大きな足音をたてたり、大音量で音楽を流したり、あまりのうるささに毎日寝られませんでした。他の部屋に住んでいる住人が、直接苦情を言いに行ったりもしていましたが全くおさまらず、マンションの管理人に事情を伝えると、本人に直接注意をしてくれましたが、少しの間だけ静かになり1ヶ月経つとまた元通りでした。夜中に警察にも注意に行ってもらったこともあります。今はその大学生は引っ越し、また新しい人が住んでいますがそんなことは全くなく、静かに暮らせています。
ゴミトラブル
ゴミの分別に関するトラブルも多く発生しています。ゴミを出す時間を守らなかったり、ゴミが袋から散乱していたりということがきっかけとなりトラブルに発展します。
ゴミが散らかっていたのを片付けてあげたところ、プライバシーを侵害された、と苦情を言われることも。
また、ゴミを自宅に溜め込んでいて異臭がする、といったトラブルもよくあります。
ゴミ屋敷への苦情(男性・43・会社員・分譲マンション)
築35年の分譲マンションに、賃借人という立場で入居したときのことです。入居してから3ヶ月目あたりから、隣の住戸から生臭い匂いが漂ってくるようになりました。もちろん住戸内の壁をとおしてではなく、共用廊下にでると匂いが漂っているのです。5月頃でした。そして真夏の季節になり、その匂いがひどくなり、7月になるとゴキブリが私の住戸の玄関に大量に入ってくるようになったのです。私は、このマンションの管理人に相談しました。そして一緒に私の住戸前や、隣人の住戸前の匂いを嗅いでもらったところ、隣に住んでいる高齢男性のお宅がゴミ屋敷(ゴミ住戸)と化していることが判明したのです。そこで、私と管理人さんで、そのお宅の高齢男性と何度か話し合いを持ち、高齢男性の住戸内にたまった大量のゴミを搬出してもらうことになりました。搬出作業の様子を見たのですが、このお宅内のゴミの高さが人間の肩の高さまで積みあがっており、驚愕した次第です。私は怖くなって、その後引っ越しました。
暴言トラブル
近隣に住んでいるとちょっとした行き違いが発生してしまうこともあります。
「挨拶を返さなかった」といった些細なことで相手の気分を害して、後々、暴言を吐かれたといったトラブルもあります。
また、直接的に何かを言われることはなくとも、悪い噂や嘘の情報を流されて、近所の噂話のネタにされてしまうことも多いようです。
話し声に対する度を超した苦情(女性・29・会社員・賃貸マンション)
一人暮らしを始めてしばらく経った頃でした。友人を自宅に呼んで晩ご飯を食べた後、しばらく雑談をし、夜10時ごろに友人は帰っていきました。すると次の日の朝、玄関のポストに白い紙切れが入っていたのです。紙には「うるさい!!」と荒々しい字が…。たしかに昨日の夜は友人を呼びましたが、ただ普通に喋っていただけなので、そこまで声は響いていないはずです。血の気が引いて怖くなりましたが、誰が紙を入れたのか全く分かりません。犯人探しも出来ず、その件は流すことにしました。しかしその後も異変は続きました。ポストに白紙が入っていたり、自転車のカゴの中に大量の空き缶が捨てられていたり、ピンポンダッシュをされたり…。明らかに嫌がらせでした。さすがに参ってしまい、マンションのオーナーにご相談しようと思いましたが、オーナーは80代のご老人です。少し頼りなく、対応して貰えるかわからなかったので、結局誰にも相談出来ませんでした。気味が悪かったので、一人暮らしをやめて実家に戻るハメになりました。
ペット・野生の動物トラブル
ペット禁止のマンションでペットを飼っていたり、野生の動物に餌をあげてしまいマンションに頻繁に集まるようになってしまった…など、動物関連のトラブルは案外多いものです。
また、ペット禁止のマンションでペットを飼っていてバレてしまった場合、最悪ペットを手放さないといけなくなります。ペットを飼うのであれば、必ず「ペット可マンション」または大家さんにOKをもらいましょう。
無断で犬を飼育し、騒音トラブルへ発展(女性・50・主婦・分譲マンション)
ペット禁止のマンションでしたが、私の真上の階の住人が犬を無断で飼っていてトラブルになっていました。上の階の住人は、高齢の夫婦の二人暮らしで、もともと物音もしなくて静かだったのがある日から突然、人間ではない足音がするようになり、そして吠える声も聞こえるようになりました。あまりトラブルになりたくないので、直接言いに行くのも躊躇してしまいどうしたものかと思っていたところ、やはり同じように鳴き声や階段に犬の抜け毛が落ちていることに気づいた人が管理人に言いに行ってくれました。かわいいペットでどうしても手放したくないと、しばらくはごねたようですが、管理人が根気強く説得してくれ、最終的には近くに住む娘夫婦に引き取ってもらうことになり解決しました。
野生の猫への餌やりが原因原因で、排泄物等で悩まされた(男性・52・自営業・賃貸マンション)
マンションに住んでいたある日、マンションの玄関まわりにずいぶんな数の猫を見るようになりました。猫を飼ってもよいマンションですけど、外で猫を見かけるのは珍しかったです。1階の住人の部屋のドアが開いた途端、その音に反応して遠くの猫が10匹くらいやってきました。どうやらその住人がマンションの玄関前で、ひんぱんに猫たちに餌を与えているようでした。しだいに猫は増えだして15匹から20匹はいたと思います。異常事態だと感じた同じマンションの私たち住民は、エサやりをやめてくださいと注意しましたが、やめてくれませんでした。駐車場に止めてある車の下に常時何匹かの猫がいますし、猫のフンなど、生活環境が悪化しました。
野鳥への餌やりが原因で、排泄物や鳴き声等で悩まされた(男性・50・自営業・賃貸マンション)
同じマンションの居住者が鳩などの野鳥に餌を与えたため、多くの鳥が集まるようになり糞の被害に遭っています。悪臭を放つだけではなく、洗濯物に付着して汚れてしまったので、今では外干しは出来なくなりました。ベランダで景色を眺めるのも楽しみでしたが、今はそれも気軽には出来ません。自治会やオーナーさんが話をしに行きましたが、相手は全く聞く耳を持たず状況は変わりません。その後、ベランダの周辺にネットを張ってもらいましたが、間から糞が落ちてきたり、相変わらず臭いもあり焼け石に水となっています。鳥の鳴き声や羽の音が聞こえるたびに毎日ストレスになっており、この状態がいつまでも続くなら、子供が学校を卒業するなど区切りの良い時期に引っ越しも視野に入れて検討しているところです。
ご近所トラブル解決には相談が一番
誰にでも起こり得るご近所トラブルを解決するには、相談をするのが一番です。
ご近所トラブル解決に導いてくれる相談先としては以下のようなものがあります。
まずは当事者に相談してみる
騒音やゴミ問題など、ご近所問題はデリケートな部分があります。問題の当事者と関係が良好ならば、さりげなく注意することで解決する場合もあります。
「夜中の騒音、なんとかなりませんか?」などと相談して、お互いに少しずつ譲歩をし合うのも手です。
ただし、当事者に注意をすると、さらなる嫌がらせに発展することも。相手の性格や自身との関係などに注意するようにしましょう。
警察に相談する
ご近所トラブルの内容が暴言などの身の危険を感じるものならば警察に相談しましょう。具体的には以下のようなことがあった場合です。
- 車などに傷をつけられた
- 敷地内に物を投げ入れられた
- 郵便や敷地内のものを盗まれた
- 暴言や脅迫があった
- 暴力的な行為があった
この際に、物的証拠があるとより良いです。
もしも警察に相談するほどのことなのか分からない案件の場合は、♯9110に電話をすると良いです。警察安全相談員が対応策を助言してくれます。
参照:警察に対する相談は 警察相談専用電話 #9110へ | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
役所の行政に相談する
各市区町村役場には、地域の行政窓口があります。もしも近隣トラブルの内容が、多くの住民が困るような問題(たとえばゴミ問題や騒音問題)の場合は、行政に動いてもらうことが可能です。
地方自治体は警察と違って民事不介入の原則がありません。そのため、民事的なトラブルも積極的に扱ってくれます。
管理会社に相談する
警察に相談するほどの事案ではなかった場合で、マンションなどに住んでいるならば、管理会社に相談してみましょう。
管理会社から直接、相手に注意をしてくれる場合もあります。
弁護士に相談する
ちょっとした行き違いで個人間トラブルに発展してしまったのならば弁護士に相談するのも良いでしょう。
弁護士は依頼費が数十万円必要になりますが、どのようなトラブルにも対応してもらえ、法的根拠のもとに冷静に解決に向けて動いてもらえるメリットがあります。
引っ越しをしてしまうのも解決策
いくら自分が動いても相手が一向に良くなってくれない、あるいは、さらに嫌がらせをしてくるようになった場合は引っ越しをするのも1つの解決策です。
子どもがいると転校手続きなどで大変ではありますが、努力しても友好な関係になれない隣人がいるならば逃げてしまうのも賢い手です。
環境を変えることも考えましょう!
おわりに:ご近所トラブルは自分が加害者にも被害者にもなりうる
ご近所トラブルは、まるで事故のように自分が被害者になってしまうことももちろんありますが、もとをただせば自分が何か迷惑をかけてしまったことがトラブルの発生源になっていることもあるのです。
生活するうえでは周囲に配慮し、顔を合わせたら挨拶するなどで、負の感情がふくらまないようにしましょう。
アンケートについて
マンションに居住しているユーザーから、ご近所トラブルの体験談を独自に収集しました。
収集方法:クラウドソーシング
収集期間:2021年03月11日~2021年03月25日
収集数:50件(うち一部を使用)
この記事を監修した人
スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)
埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。