2020.12.04 

中古住宅を購入するときの主な手続きと流れを解説

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不動産は新築・中古を問わず、一つとして同じ商品が存在しません。
特に、ほとんどが個人売主となる中古住宅の場合は、使用度などによって同じ築年数でも建物の状態が大きく異なります。

また、売主の事情によって引渡し時期などの取引条件も変わってくるため、「物件は気に入ったけど、それ以外の条件が合わない」と、せっかく時間と労力をかけて良い物件が見つかったのに、購入を諦めるケースも少なくありません。

そのようなリスクを避けるためにも、購入の流れやポイントを事前に把握しておくことが重要です。
中古物件の購入失敗のリスクを避ける大きなポイントは3つあります。

  • 物件検討~購入までの期間は「早くても1ヶ月半程度」
  • 適正な「購入価格」を把握しておく
  • 減税の対象となるか確認しておく

中古物件は商品も条件もさまざまです。替えの効かない買い物だからこそ、事前にポイントを押さえ対策してくことが成功の秘訣と言えます。

目次

中古住宅を購入するときの主な手続き

中古住宅を購入に伴い、書面への記入や押印が必要な手続きとしては、主に下記6つが挙げられます。

  • 購入申込書の提出
  • 住宅ローンの事前審査
  • 重要事項説明書・売買契約書の締結
  • 住宅ローンの本審査
  • 金銭消費貸借契約の締結
  • 決済

なお、住宅ローンを利用せずに現金一括で購入される場合は、住宅ローン審査や金銭消費貸借契約は必要ありません。
またそれぞれに本人確認書類や収入証明書、印鑑証明書など、用意すべき書類が異なるため、どの時点で何の書類が必要となるか、事前に不動産仲介会社から案内を受けておくと安心です。

物件検討~購入までの流れ

物件検討~購入までの期間は「早くても1ヶ月半程度かかる」と想定されると良いでしょう。
ただし、空家物件を現金購入する場合、かつ売主・買主双方が売買契約と決済を同時に行う「一括決済」を了承している場合は、数週間程度で完了するケースもありますが、かなり特殊な例と言えます。

一般的に住宅ローンを組んで購入する場合、下記のような流れとなります。

  1. 内見・購入申込書の提出
  2. 住宅ローンの事前審査
  3. 重要事項説明
  4. 売買契約
  5. 住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約
  6. 決済

内見・購入申込書の提出

仲介会社の案内により、物件を実際に内見します。物件によっては、売主が居住中の物もあります。
ここで購入意思が固まれば、「購入申込書」に記名・押印をして売主へ提出します。この購入申込書には、購入希望金額や住宅ローンの利用有無、引渡し希望期日など、契約にかかわる条件を併せて記載します。

なお、この購入申込書には法的拘束力が無く、提出後に取り下げたとしても金銭的なペナルティは発生しません
逆に言えば、この申込書を提出したとしても必ず購入できるわけではありません。売主が購入申込書の条件に納得し「売渡承諾書」を買主へ提出しなければ、売買契約の準備に入ることはありません。

住宅ローンの事前審査

購入申込書の提出と併せて、住宅ローンの事前審査に申し込みます。
事前審査では、収入証明や与信調査、簡単な物件調査により、購入に際して住宅ローンが組むことができるか、金融機関の審査を受けます。

審査結果については、都市銀行で早ければ翌日、ネット銀行でも1週間程度で回答されます。
この事前審査は簡易的であるものの、購入検討者の金銭的信用を確認するために、売渡承諾の条件となることが一般的です。

重要事項説明

住宅ローンの事前審査を通過し、売主から売渡承諾を受けた後は、仲介会社(宅地建物取引士に限る)から「重要事項説明書」の説明および交付を受けます。
重要事項説明書には、売買物件における権利関係や建築基準法に関すること、物件特有の申し送り事項などさまざまな情報が記載されています。

書面の名称のとおりこの内容は非常に重要ですので、疑問や不安が残らないよう、都度質問しながらしっかり理解しておくようにしましょう。

なお、重要事項説明は売買契約前に行うことが義務とされていますが、日程調整の関係で契約同日に行うこともあります。

売買契約

重要事項説明を受けた後、売主と売買契約の締結を行います。
ここでは、手付金として物件価格の5〜10%程度を売主へ支払うことが一般的です。
また、この時点で決済の期日についても決定し売買契約書に記載しておきます。

住宅ローン本審査・金銭消費貸借契約

契約締結後、住宅ローンの本審査へ申し込みます。
本審査の結果は申し込み後2〜3週間で結果が通知され、内容に不備や問題がなければ、金融機関と「金銭消費貸借契約」を締結します。

決済

売主・買主双方の準備が整い次第「決済」を行います。
決済は、仲介会社の事務所もしくは住宅ローンを組んだ金融機関の事務所を借りて行われることが多いです。

この決済には、所有権移転登記を依頼する司法書士も参加します。司法書士により登記必要書類が確認され次第、買主の融資を金融機関が実行し、手付金を除いた残代金を売主へ支払います。
これで手続きは全て完了し、売主から買主へ物件の鍵が引き渡されて取引完了です。

中古住宅購入の契約前にかならず確認しておきたいこと4つ

ここまで購入までの流れをご紹介しましたが、その都度確認して欲しいポイントを3つ解説します。

  • 諸費用はどの程度かかるか
  • ホームインスペクションの診断結果があるか
  • 減税などの優遇適用があるか

諸費用はどの程度かかるか

中古住宅を購入する際には、物件代金の他に物件価格の5〜10%程度の諸費用が発生します。
この諸費用とは、住宅ローン保証料や印紙代、仲介会社に支払う仲介手数料など、普段馴染みのない項目ばかりです。

予算がショートしないためにも、「何にどのくらい費用がかかり、それがいつ必要なのか」ということを事前に把握しておくことが重要です。
また把握しておくことによって、スムーズに手続きを行うことができます。

ホームインスペクションの診断結果があるか

検討している物件が「ホームインスペクション」の診断を受けているかを確認しましょう。
ホームインスペクションとは、売主の費用負担によって第三者の専門家によって建物の状態を調査・報告してもらうことを言います。

ホームインスペクションは売主の義務ではありませんが、最近は売却を円滑に行うための方策として利用されることが多くなっているため、問い合わせてみることがおすすめです。

減税などの優遇適用があるか

見落としがちなのが「住宅ローン減税」です。
住宅ローン減税は「年末の住宅ローン残高に対して1%分の所得税を一定期間減税する」という制度で利用することができれば大きな金銭的メリットを受けることができます。

しかし、この制度には適用条件がり、購入する物件の床面積や築年数が条件をクリアしていなければ利用することができないのです。
住宅ローンが利用できるか否かで購入後の生活も大きく変わることとなるため、利用を検討されている方は、仲介会社や税務署などに必ず確認しておきましょう。

おわりに:

中古住宅を購入するときの主な手続きと流れ、そして確認しておきたいポイントを解説しました。
まずは、検討〜購入までは早くても1ヶ月半程度かかることを念頭に、準備すべき書類や費用を事前に確認することが重要です。

また、忘れがちな「住宅ローン減税」についても、利用したい場合は購入する物件が適用条件をクリアしているかどうか、信頼できる不動産仲介会社や税務署へ必ず確認しておきましょう。

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この記事を監修した人

スターフォレスト代表取締役
増田浩次(ますだこうじ)

埼玉県出身。親族の大半が不動産業界を営んでいたことから、自身も不動産業界へ入って30年近くが経ちます。モットーは、お客さまに喜んでいただけるような的確な提案をすること。お客さまには物件の良いところも悪いところもすべてお話しています。
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、損保募集人資格を所持しておりますので、住宅ローンや資金計画のご相談・アドバイスもお任せください。

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